犬猫も糖尿病にかかるの? 1型2型 人との比較について

ワンちゃんネコちゃんも糖尿病になります。人と同じように生活習慣が大きく関わっていると考えられており、飼い主様の意識によりある程度は予防できる病気なのかなと感じています。

今日はその糖尿病の概要に関してお話ししていきたいと思います。

目次

血糖値とは

血液中に溶けているブドウ糖(グルコース)の濃度のことです。この濃度が高い状態を高血糖、低い状態を低血糖と言います。

この血糖値は常に一定ということは無く、常に変動している(特に顕著なのが食事前後)ものですが、ある幅を越えないように体は血糖値をコントロールしています。

血糖値の基準値

血糖値の基準値

人では 110〜140  mg/dl  
犬では 75〜130  mg/dl
猫では 70〜140  mg/dl

と動物種によって幅があります。

血糖値のコントロール

体の色々な場所から出されるホルモンによってコントロールされています。

血糖値のコントロールホルモン

血糖値を下げる:インスリン(膵臓)
血糖値を上げる:グルカゴン(膵臓)、アドレナリン(副腎髄質)、コルチゾール(副腎皮質)、甲状腺ホルモン(甲状腺)、成長ホルモン(脳下垂体)

血糖値の高い低いは、間脳の視床下部と言われる場所を中心にチェックされています。

血糖値が高くなった場合、それを下げるためにインスリンを分泌するように指示が出ます。また血糖値が下がってきた場合は、それをあげるためにグルカゴンやアドレナリンなどを分泌するように指示を出します。

これをフィードバック機構と言ったりします。

ホルモンの種類数からわかること

血糖値を下げるホルモンがインスリンのみなのに対して、血糖値を上げるホルモンは5種類もありますよね。このことから、体は低血糖をすごく警戒しているということなんです。

通常、高血糖ですぐに命が危険になることはありませんが、低血糖ではすぐに命が危険に晒されます。このことから上昇させるための手段を多く備えているんですね。

近藤
低血糖に対しての手厚い管理に対して、高血糖に対してのガードの甘さが糖尿病という病気を引き起こしやすくなっているんですね。

糖尿病とは

何らかの理由で血糖値を下げるインスリンの作用が不十分になり、高血糖が持続している病気のことです。

原因により人では1型糖尿病、2型糖尿病と大きく分けられますが犬猫にもこのような考え方は存在します。

1型糖尿病

自己免疫疾患と考えられており、インスリンを分泌する膵臓のβ細胞が壊されインスリンが分泌が絶対的に不足してしまう。生活習慣が関係しないと言われている。

2型糖尿病

様々な原因により、インスリンが出ているが身体が反応してくれない、もしくはインスリンは出ているが不足している。生活習慣が関係していると言われている。

動物種による1型・2型の割合

人では、2型が90%以上と言われており、猫もこれに近いと言われています。

それに比べて犬では1型の発症がほとんどとされていて生活習慣は関係ないとされていますが、正確にはこれは正しくありません。

おそらくこの「1型2型の分類」と「IDDM(インスリン依存性糖尿病)とNIDDM(インスリン非依存性糖尿病)という分類」がごっちゃになってしまっているのだと思います。

これについては割愛しますが、

近藤
ただ一つ言えるのは糖尿病が人で生活習慣病と言われているのと同様に、犬猫でも生活習慣が大きく関わってくるということ。

最後に

糖尿病になってしまうと、インスリン注射がほとんどの場合で必要になってきます。インスリンを止めることができる場合もありますが稀です。

なってから後悔するのではなく、生活習慣を考えていくことで予防できる可能性がありますのでそのことを伝えていければと思います。

今日は概要のみで少し退屈なお話になってしまいましたが、糖尿病を予防して行く上で大事な知識になってきますので、頭に入れておいていただければと思います。

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