多くの飼い主様の勘違い そんな歯磨きだから歯周病になるんです!

この記事をご覧いただく前に

知らないと危険!! 歯磨きの前に確認しておく大切な2つの事

2017年12月10日
をまだお読みになられてない方は、先に読んでいただきますようお願いします。

目次

マウスケア用品

歯磨き道具

最近では本当に色々なものがありますよね。歯磨きシートだったり、指サックのようなものだったり。

中でも理想はやっぱり歯ブラシです。でも難易度が一番高いのも歯ブラシなので、最初は抵抗感の少ないシートやガーゼから始められるのがいいと思います。

歯ブラシでの歯磨きは違和感が強く難易度が高い!
最初は受け入れてもらいやすいシートやガーゼなどから始めるのが理想。

上の写真は左から順に、実際にうちの犬に歯磨きを教えていく過程で使用したものです。ステップアップの参考にしていただければと思います。

歯磨き以外のガーゼやシートでももちろん効果は十分あります。ただ、「歯と歯の間」や「歯と歯茎の間の溝(歯肉溝)」、「歯の裏側」を綺麗にするには、少し不十分だと感じます。

歯ブラシはこういった細かいところまで掃除をする事が可能なのでシートやガーゼで平気になってきた際は、次のステップとして指サック状のブラシや歯ブラシなどを考えられるといいと思います。

近藤
ちなみにうちは小型犬なので人間の赤ちゃん用歯ブラシを使っています☆
ガーゼやシートでも効果は十分得られる。
しかしこれらは歯肉溝など綺麗にできない箇所もあるため、最終的には歯ブラシでの歯磨きを可能にしたい!

歯磨き道具以外(歯磨き粉や歯磨きガムなど)

ペーストや液体タイプなどを含めた歯磨き粉や、歯磨き用途のおもちゃやガムがたくさん売られていますね☆

どれも無いよりはあった方がいいと思いますが、飼い主様に対してこれがオススメとかそういったものは今の所ありません。

注意したいのはこれらは歯磨きの補助として使うべきもので、歯磨きが必要なくなるわけでは無いということですね。

近藤
ちなみにうちの犬は噛むタイプのおもちゃは使っていますがそれ以外は使っていません。このおもちゃも決して歯磨き目的ではなくワンちゃんの「噛みたい欲求」を発散させるために用いています。
飼い主
え〜!なんとか歯磨きをせずに済ませる方法はないんですか??
近藤
ないです!歯磨きをしてください☆

歯磨き頻度

近藤
理想は毎日です。
飼い主
え〜!2日に1回くらいのペースでもいいって言われました!

確かに2日に1回までなら大丈夫という意見もありますが、これはあまりお勧めできない意見です。まずこのような意見が出てくる背景を見ていきます。

犬の歯垢が歯石に変わる日数

犬の歯垢は僕たち人と違って犬は歯垢が歯石に変わるのが約3日と言われています。(ちなみに人の場合は約30日と言われています。)

歯垢と歯石の違い

近藤
歯垢は歯磨きで取れますが、歯石になると歯磨きでは取れないのです。

歯石を無理に剥がすと歯の表面(エナメル質)が傷付いてザラザラになり、歯垢がつきやすくなることもありますので、歯を健康な状態に保つにも歯垢のうちに対策をされるのが理想とされています。

だから・・・

獣医師
歯石が付く3日未満→最低でも2日1回は歯磨きをしよう♪

という意見が出てくるのですね。でもここで注意が必要なのは歯石が付かなければそれでいいのだろうかという視点です。

近藤
では、人では約30日で歯石が付きますが、25日に1回の歯磨きでいいのでしょうか?
獣医師
・・・。

良くないですよね。このように考えていくと「歯石がなければいい」というのは偏った考えだと気付くことができます。

歯磨きの目的

歯磨きの目的は歯石がない綺麗な歯を目指すことではありません。

近藤
歯周病菌が悪さをしにくい口内環境を作ること、歯周病対策が目的なのです。

これらは一聞すると同じことを言っているようですが、全く違います。

歯石が無い≠歯周病では無い

歯周病対策をするなら毎日歯磨き

朝起きてお口の中のヌメリが気になるという経験はありますか?

もしございましたらそのヌメリの正体が歯周病菌(正確にはバイオフィルム)なのです。

近藤
夜に歯を磨いて寝たはずなのに朝にはもう菌が増えてしまっているということです。

これらの歯周病菌はもちろん食事のたびに増えて行きます。歯周病菌が増えすぎるとやがて歯肉が炎症を起こし(歯肉炎)、歯周炎などの歯周病へと繋がっていくのです。

歯磨きはこれらの歯周病菌を減らして、病気にならないレベルに止める為に行うのです。
(※あくまで「減らす」ということ。歯周病菌をゼロにすることは不可能です。)

歯磨きの目的
×歯垢→歯石の流れをブロックして歯石を付かないようにする為
○歯周病菌を減らして病気を引き起こすなどの悪さをさせないようにする為

また間隔が開きすぎると歯磨きに慣れるのが遅くなりますし、使い捨てでない場合は次に使うまでずっと歯磨き道具を放置することで、雑菌も繁殖しやすくなります。

毎日使って小まめに消毒することも健康維持には大切です。

歯磨きポイント

原則として、嫌がったら無理して続けない事。愛犬の為を思う気持ちもわかりますが、愛犬の気持ちを一番に考えてあげてくださいね。

嫌がる場合の慣らし方については、トレーニングの範疇だと考えています。文章ではどうしても誤解をまねく恐れがありますので、ここでは「嫌がる場合の慣らし方」については割愛させていただきます。

ここでは獣医師としてお伝えするべき歯磨きのポイントを伝えていきますね。

飼い主
ちゃんと磨いているけど口臭が気になるんだよね
などの場合も読んでいただけると参考になると思います。

念入りに磨きたい歯

歯磨きは、すべての歯は満遍なく磨く必要がありますが、特にしっかり磨いておきたいところがあります。

こちらの図、手描き感満載ですが犬の歯を横から見たものになります。

それぞれの歯の名前はこういう感じなのですが、名前は覚えなくて大丈夫です。

犬歯と書かれた尖った歯から、上でいうと4番目と5番目、下でいうと5番目の歯(ピンクで丸をした部分)が特に念入りに磨きたい歯なんです。(一番大きい歯なので見るとわかります)

これらは機能歯といってよく使われる歯でその分汚れも付きやすいんです。歯石が付き始めるのもこの歯からですし、歯石を放置した時様々な問題に発展しやすいのもこの歯になります。

歯磨きの時はこの歯を意識して、短時間しかできないワンちゃんの場合は優先的にケアしてほしい歯になります。

歯磨き方法

大きく分けて二つの動きがあります。

①バス法

歯と歯茎の溝の掃除に有効なあまり力は加えずに小刻みに前後方向へ動かします。

②ローリング法

歯と歯茎の掃除に有効な方法で円を描きながら動かしていきます。

近藤
どちらも必要な方法ですが、歯周病予防の場合は①が効果的と言われています。

歯ブラシの角度

もしステップアップして歯磨ブラシを使われる場合は、歯磨きを少し傾けて使ってください。

歯と歯茎の間を掃除しやすくなり、ワンちゃんがかかりやすい歯周病の予防効果を高めることができます。

まとめ

シートやガーゼなども効果が得られますが最終的には歯ブラシでの歯磨きを目指しましょうというお話をしました。

また色々な製品が出ていますが、歯磨き粉や歯磨きガムなどはあくまで補助で歯磨きの代わりになるものでは無いという認識も大切でしたね。

そして歯磨きの頻度。目的は歯石のない歯を手に入れる為ではなく、歯周病菌を減らして悪さをできない口内環境を維持する為。

このためにも毎日磨くことが欠かせないとお伝えしました。

最後に念入りに磨きたい歯や磨き方のポイントを解説しましたね。毎日ちゃんと磨いているけど歯周病と言われた、口臭が気になると行った場合は是非参考にしてみてください。

近藤
みなさん、歯磨き頑張りましょうね♪

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