猫 糖尿病の分類と原因 そこから予防方法を考えてみる

糖尿病の概要についてはこちらの記事でお話ししました。

犬猫も糖尿病にかかるの? 1型2型 人との比較について

2017年12月23日

今回は猫の糖尿病について同様に考えて行きたいと思います。

目次

猫の糖尿病分類

1型糖尿病

インスリンが分泌される膵臓のβ細胞が、自己免疫性もしくはそれ以外の理由によって破壊され、インスリンが絶対的に不足して起こる糖尿病です。

2型糖尿病

インスリンは分泌されているが少ないか、インスリンに対しての体の反応が鈍くなってしまう(インスリン抵抗性)ことで起こる糖尿病です。

人では遺伝、肥満、生活習慣などが原因として言われていますが、猫にそのまま当てはめられないものもあります。

近藤
ただ、肥満に対してはインスリン抵抗性をもたらすというのはほぼ統一見解だとされています。

続発性糖尿病

何かの病気があってそれによって糖尿病が引き起こされているというものです。

膵炎

膵臓で炎症が起こることでインスリン分泌をするβ細胞が不足して行きます。これが慢性的に起こる慢性膵炎が猫の場合糖尿病の原因になっていることが多いです。

甲状腺機能亢進症

甲状腺ホルモンという全身を活発にさせるホルモンが多く出される病気です。これにより猫は常時活動的になり、興奮状態が長く続きます。

高齢猫で甲状腺機能亢進症が増えて来ることからこれにより引き起こされる糖尿病も少なくはありません。

その他の病気

クッシング症候群、副腎腫瘍などでも糖尿病が引き起こされることが知られています。

発情や妊娠

エストロジェンやプロジェステロンというホルモンが多く分泌されます。これらはインスリン抵抗性をもたらすため、このタイミングで糖尿病になる子がいます。

ストレスの関与

ストレスは、グルココルチコイドというホルモン分泌を増やします。またストレスからの興奮によってカテコールアミンというホルモンの分泌も増えます。

これらのホルモンは血糖値を上昇させます。猫は犬や人に比べて血糖値が上昇しやすく下がりにくい動物と言われています。猫の場合はこれが持続することで糖尿病につながるリスクが高いのです。

ストレスとして多いのは、生活環境(騒音や同居動物)、慢性的な病気(膀胱炎や口内炎などの感染症、関節炎など痛みによって生活に不自由が多くなるもの)が挙げられます。

猫の糖尿病分布

猫の場合は、1型糖尿病はとても稀です。

近藤
ほとんどが2型糖尿病、または続発性糖尿病(特に慢性膵炎が多い)と言われています。

ここから考えられる予防策

人と同様、1型糖尿病に関しては生活習慣は関係ないと言われていますが、2型糖尿病に関しては生活習慣と深い関わりがあると言われています。

また続発性の中でも特に多いとされる膵炎も生活習慣と関わりが大きい病気です。

近藤
このことから生活習慣というのが予防の鍵を握ることになりそうですね。

食生活

人では暴飲暴食、偏った栄養バランスが問題視されています。猫ではお酒は飲みませんが、暴食に関しては人と同様注意が必要です。

また人ではバランスよくと言われていますが、猫ちゃんは肉がメインの食事が推奨されています。(犬の食事内容については議論が分かれてはいますが・・・。)

安価なフードだと、炭水化物(分解されると糖質になる)を多く使用されていることが多く糖尿病の引き金になっているのではないかと懸念されています。

猫ちゃんはバランスよくといっても、肉に偏る食事になりますがそのあたりも見直されてみるといいと思います。

運動

近藤
人や犬と違い、散歩など外に出る猫ちゃんは少ないです。このことから運動不足となっている猫ちゃんはとても多いです。

積極的におもちゃで遊ぶ時間を作ってあげたり、一緒にかくれんぼをして楽しむのもいいと思います。

また猫ちゃんは縦方向の動きが好きなため、キャットタワーを設置することで積極的に動くようになる子も多いです。

この他、犬のところでお話しした太陽光によるビタミンD合成ですが、猫ちゃんもこの働きを持っています。

日向ぼっこができる場所に、お気に入りのベッドをおいてあげるなど家の中でも日光浴が視野うい工夫をしてあげるといいでしょう。

体重管理

これは食生活、運動量による管理が大きいですが、適切な食事量、運動量はその子によってバラバラです。

飼い主
ちゃんと食事管理しているし、運動もさせている
と仰られていても肥満になっているケースは実は多いです。

丸い子が可愛いというのはわからないでもないですが、健康管理という観点からも今一度その子ためには何がいいのかを考えてあげるようにしてください。

ストレス

猫ちゃんはストレスも糖尿病に大きく関わっているとお話ししました。

ストレスが溜まっていないかチェック
  • 同居猫との相性はどうだろうか?
  • 突然攻撃的になったりしていないか?
  • やけに毛づくろいばかりしていないか?
  • 病気で苦しんでいる素振りはないだろうか?
  • 寒さで一日中丸くなっているなどはないだろうか?

このような観察を怠らないようにしてあげてください。また運動はストレス解消にとても役立ちますので、一緒に遊んであげるのもいいと思います。

まとめ

猫ちゃんの糖尿病は、原因にもよりますがインスリン注射をやめても大丈夫になる場合があります。

もちろん糖尿病にならないように、予防としてこれら飼い主様がしてあげられることを知り、実行してあげるに越したことはありません。

でももし糖尿病だと診断されたとしても、一生インスリンを打たなければならないと悲観的になるのではなく、これらの予防策に目を向けて、インスリン投与なしでの生活を取り戻す努力をしていただければと思います。

ワンちゃんの糖尿病記事はこちら↓

犬 糖尿病の分類と発症年齢分布 その原因から予防方法を考えてみる

2017年12月24日

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