体表に腫瘤!? 病院で慌てない為の検査についての予備知識!

以前、こちらの記事で

体表に出来物を発見!その時どうする!? 獣医師が教える正しい対処法

2017年12月16日
近藤
体表に出来物ができた場合は病院へ行きましょう!
というお話をしました。

今日はそうして病院へ行かれた際に行われる一般的な検査の流れについてお話しします。

これを前持って知っておく事で、いざ自分にその時が来たとしても獣医師からの提案がスムーズに理解でき慌てる事なく必要な検査を選びやすくなります。

目次

問診

全ての診察の基本ですね。いつからあったのか、また大きさや数に変化はあるかなど、出来物に関することから、元気・食欲・行動の変化など出来物以外の内容もチェックしていきます。

近藤
ここは獣医師が飼い主様に情報を求めるところです。知っていることはどんなことでも結構ですのでお話しするようにしてください。

触診

実際に触らせてくれる場合は触診を行っていきます。硬さはどうか、熱感はあるか、固着しているかどうか、また触った際に痛みがあるかなどをチェックしていきます。

近藤
ここまでの情報により、その出来物が腫瘍なのか、そうでないのか。腫瘍だとしたら良性なのか悪性なのかなどのあたりを付けていきます。

生検(バイオプシー)

細胞や組織などを採取してそれを顕微鏡で見る検査のことです。これにより多くの情報を得ることが可能になります。

これにはいくつか方法があるのですが、それぞれメリットデメリットがあります。

FNB(Fine Needle Biopsy)

出来物に注射針を刺して、注射針の中に入った細胞をチェックする検査です。

FNBのメリット・デメリット

<メリット>
細胞が壊れにくい 動物が嫌がりにくい

<デメリット>
採れてくる細胞が少ない
中には全く細胞が採れてこない事もある

 

FNA(Fine Needle Aspiration)

出来物に針を刺すところまではFNBと一緒ですが、FNAでは針につけた注射筒(シリンジ)を引いて細胞を吸い取ります。

FNBのメリット・デメリット

<メリット>
FNBに比べると採れてくる細胞が多い

<デメリット>
FNBと比べて細胞が壊れやすい 
動物が嫌がる
全く細胞が採れてこない事もある

FNAとFNBの選択は出来物の場所や硬さによって行われます。これらは通常無麻酔で行われる検査で、気軽に多くの情報を得る検査として多くの獣医師が早い段階で実施する検査です。

近藤
ちなみに細胞が多く採れるのがメリットとしているのは、顕微鏡で見た際に多くの情報を得ることが出来るからです。

コア生検

FNAやFNBで使用するものよりも太い針を用います。FNAやFNBが細胞を採っていたのに対して、こちらは細胞の塊である組織を採ってきます。

コア生検のメリット・デメリット

<メリット>
腫瘍の一部を採る形になるので診断がつきやすい

<デメリット>
針が太くなるので局所麻酔などが必要となる
顕微鏡で見るまでの工程が増えるため外注検査になり時間がかかる事が多い
採ってきた場所によっては診断がつかないことも

切除生検

出来物を切り取り(治療を兼ねる場合も)それを顕微鏡でみる検査です。コア生検よりも採れてくる組織の量が圧倒的に多いのが特徴です。

 

切除生検のメリット・デメリット
<メリット>
全体的にな切除なので、ほぼ診断に至る事が出来る

<デメリット>
切除範囲にもよるが全身麻酔が必要になることが多い

 

まとめ

いかがでしたか。問診や触診である程度絞り込むことはできても、そこで終わってしまえば診断ではなく予想を立てるという形で終わってしまいます。

出来物に針を刺したりする行為は、痛がるんじゃないかとか怖いというイメージを抱いてしまう気持ちもわかりますが、本当に必要な事が何なのか。

近藤
実際に我が子に出来物ができたときに考えるのではなく、普段から意識して考えておく事でしてあげられる事が変わってきますので、よければこの項目についても「もしその時が来たら」というように考えていただければ幸いです。

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