人でも有名な病気ですので一度は耳にされた飼い主様も多いことかと思います。
リンパ腫とは
リンパ球が腫瘍化したものを言います。
リンパ球は体の中で主に敵が現れた時にそれを撃退してくれる(免疫)細胞でリンパ節に多く存在します。
リンパ節の説明はこちらを参考にしてください。
※リンパ節には体表リンパ節の他にも、消化管など触れない場所に付属しているリンパ節もあります。
これらリンパ節はリンパ管という管で繋がっていてリンパ球はそれを通路としてリンパ節を行き来しています。
またリンパ球は血液にも存在していて血管内、細胞間などあらゆる場所に移動することができます。
このため体のどこにでもできる可能性があり、場所によって分類が存在します。
目次
犬のリンパ腫
たくさんあるワンちゃんの腫瘍のうち約2割近くを占めるとも言われているくらい発生率の高い腫瘍です。人でもそうですがワンちゃんの世界でもとても有名な腫瘍なんです。
場所による分類
解剖学的分類 | 割合 |
①多中心型 | 84%以上 |
②消化器型 | 7%以下 |
③縦隔型(胸腺) | 7%以下 |
④節外型(皮膚、眼、神経、腎臓など) | 2%以下 |
分類別症状
①多中心型
数としてはこの多中心型が圧倒的に多いです。
体の様々な場所にあるリンパ節を巻き込んでいき、ステージが進むと症状も出てきますが、早期ではワンちゃんはいたって元気で普段と変わりはありません。
ステージについてはこちらを参考にしてください。
このタイプで早期発見につなげて行くには下記の記事でお話しした体表リンパ節を普段のスキンシップやブラッシングの中で意識して行くことです。
②消化器型
食欲不振や体重減少、下痢、嘔吐、黒色便などの消化器症状がみられます。通常の胃腸炎などと違い、ご飯を抜いたら回復するということはありません。
回復したように見えても繰り返したり、徐々にその頻度が増してきます。
早期とは言えませんが、便秘気味だったりお腹が張っている(腹水貯留)ようであれば要注意です。
③縦隔型(胸腺)
胸の中にある胸腺や頭側の縦隔リンパ節などで発生します。(頻度としては胸腺<縦隔リンパ節)
少し聞き慣れない言葉ですが、イメージとしては胸の中で発生するリンパ腫と考えていただいて大丈夫です。
胸の中には心臓や肺といった臓器があるのですが、ここにも影響が出てきますのでその症状は心臓や肺の病気に似ています。
これも早期ではありませんが、胸水がたまると呼吸困難などを生じます。(腹水と違い、肋骨があるため胸は膨らんできません。)
④節外型(皮膚、眼、神経、腎臓など)
皮膚型
局所性と全身性があります。カサブタや赤みを伴った丘疹、結節など見た目は普通の皮膚病に見えます。
「また皮膚病かな」と思ってシャンプーしたり、余っている抗生剤を飲ませても全然よくならない場合は急いで病院に行きましょう。
それ以外
それ以外は、腫瘍が発生している臓器に応じた症状が出ますのでここでは割愛します。
犬のリンパ腫のまとめ
以上がワンちゃんのリンパ腫の分類と分類ごとの特徴です。
少し気づきにくいものもありますし、もちろん上記の症状があればリンパ腫というわけではありません。
しかしこれらの知識を頭に入れておいて様子を見過ぎることなくできるだけ早い段階で獣医師に繋げるようにしてください。
またリンパ腫では高カルシウム血症と言って血中でカルシウムの濃度が上がることが多いです。
猫のリンパ腫
ワンちゃんとは異なる点を中心にお話ししていきます。
ネコちゃんの腫瘍で最もよく見られるのが造血器系の腫瘍で全体の33%になると報告されています。その造血器系の腫瘍の90%以上を占めるのがこのリンパ腫という腫瘍です。
猫のリンパ腫の特徴
通常腫瘍は高齢になってから発生してくるものがほとんどです。しかしネコちゃんのリンパ腫については、発生年齢は若く平均2〜6歳と言われています。
また猫エイズウイルス(FIV)と猫白血病ウイルス(FeLV)に感染している場合は発症率が高くなることも有名です。
猫エイズウイルス(FIV)感染猫:感染していない猫の6倍
猫白血病ウイルス(FeLV)感染猫:感染していない猫の62倍
両方に感染している猫:どちらも感染していない猫の77倍
と報告されています。
場所による分類
ワンちゃんと分類は一緒になります。ただ比率に関しては「多中心型が一番多くて・・・」と言った統一された比率はなく、報告によって順位もバラバラです。
解剖学的分類 | 割合 |
①多中心型 | 15-40% |
②消化器型 | 20-40% |
③縦隔型(胸腺) | 20-30% |
④節外型(皮膚、眼、神経、腎臓など) | 10-30% |
※これが正しいというわけではなく、一つの参考程度にしていただければと思います。
分類別症状
ワンちゃんでお話ししたものと変わりはありません。
ネコのリンパ腫まとめ
ワンちゃんと比べ色んなタイプのリンパ腫が発生しやすいため、ネコちゃんでは早期発見というのは難しい傾向にあります。
それでも、日頃から入念にチェックしておくに越したことはありません。また、愛猫が猫エイズウイルスや猫白血病ウイルスに感染している場合は、特に意識をしていただきたいと思います。
先生、おはようございます☀️
最近ブログやインスタが更新されていないのでちょっと心配になりメールしました。
インフルエンザが流行っているので体調を崩されたのかな❓と思ったりして
すみません、お忙しいのに
森下さん、おはようございます!更新が滞っていてすいません。
最近、相談を非常に多く頂くようになり更新が間に合わない状態です。
体調は気をつけながら健康に過ごさせていただいております。
また時間を作って更新等して行きたいと思いますので、よろしくお願いします。
森下さんも体調崩されませんよう、お過ごしください☆
お気遣い本当にありがとうございます。嬉しかったです♪
本当に良かったです‼️
お仕事、お忙しいことも良かったです❗️
勝手に心配をしてすみませんでした
私も色々ご相談したいです。
ご返事ありがとうございました。
心配してくださってありがとうございます。
おかげさまで忙しくさせていただいております。
またいつでも連絡くださいね♪
よろしくお願いします☆