犬猫 腎臓病 腎機能不全 腎不全 これらの違いがちゃんとわかりますか?

ワンちゃん・ネコちゃん共に死因のTOP3は、悪性腫瘍心臓病腎臓病です。もう何十年もこれらは動いていません。

今日の話は腎臓病について。

とても多い病気であることから日頃よく耳にしますが、本当の言葉の意味を把握されている飼い主様は少ないようなのでこちらの説明をしていきます。

目次

腎臓病とは

腎臓に病気がある状態(腎機能が正常かどうかは無関係)

例えば

腎臓病

遺伝性(アミロイド症、腎低形成症)
閉塞性(尿石症)
免疫介在性(糸球体腎炎)
腫瘍(腎癌、リンパ腫)
感染症(レプトスピラ、猫エイズ-猫白血病)

などが挙げられます。

腎機能とは

こちらの記事でお話した腎臓の働き全てです。

犬猫 尿生成だけ? 意外と知られていない腎臓の働き 腎機能を説明します

2017年12月30日

大きく分けて尿の生成ホルモンの合成・分泌があります。

近藤
通常腎臓病になるとこの腎機能が損なわれる傾向にあります。

代償とは

体が損なわれた腎機能を補う動きを代償と言います。具体的な方法としては、腎臓にある輸出細動脈と言われる血管を細くします

近藤
これはイメージでいうと、病気で弱って仕事量が落ちている腎臓に鞭を打って無理やり仕事をさせる感じです。

鞭を打たれて腎臓が頑張れている状態を代償期と言い、体全体で見たときに特に大きな変化はありません。

でもやがて腎臓が鞭を打たれても頑張れなくなってしまう時がきます。この時を非代償期と言い体で色々な異常が見え始めます。

腎機能不全

英語でRenal Insufficiencyと言います。Renalは腎臓、Insufficiencyは不十分ということです。

腎機能低下(代償期)→腎機能不全(非代償期)

この頃になると血液検査や尿検査で異常値が見つかるようになってきます。

症状でいうと多飲多尿というたくさん尿を出してたくさん水を飲むという事が見られるようになります。

近藤
よく腎臓は75%以上の機能低下がないと検査では見つからないと言われていますが(今はそれより早く見つけられる検査も出ています)、そのまさに75%以上失われた状態です。

腎不全

こちらは英語でRenal Failure 腎臓が働いていない状態です。

腎機能不全よりもさらに腎機能が低下し、尿毒症という全身状態がかなりぐったりする状態になってしまいます。

まとめ

いかがでしたか。

腎臓病→腎臓に病気がある状態(代償期・非代償期含む)

腎機能不全→腎臓病による機能低下が検査値に現れる状態(非代償期)
腎不全→腎機能不全がさらに進んだ状態(非代償期)

色々と間違った使われ方をしているこれらの用語ですが、病気の正しい理解のためにも正確な意味を知っておきましょう。

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